病気の原因

現代医学は病気の原因を、自分以外に求めてきました。
細菌、ウィルス、そしてストレスや遺伝子の変異など、健康を損ねる敵を探し求めて発展してきたと言えます。
外に敵を見つける考え方は、責任を他に押しつける事ができ、自分自身の非を認める事をせず、外部環境に責任をかぶせる事をやってきたのです。その結果、健康は外部環境に左右される物で、自分でコントロールする事はできない物になってしまったのです。

細菌やウィルスなどによる感染が原因だとする事で、病気になってしまったのは、細菌が悪いウィルスが悪い、はては不衛生な環境が悪い、そして自分たちは何も悪くない。現在の医療はこのような考えを人々に植え付けてしまう、とんでもない思想が根本にあります。

ストレスの責任にしているのも、遺伝子DNAの責任にしているのも全て、本人は責任逃れをして何か敵を作ってそれに責任を押しつけています。

生活習慣病に対してですら、高カロリーの食べ物や運動不足を敵視して、それらと闘うかのようなイメージを私は感じてしまうのです。本当は、そのような不自然な生活をしている、自分自身を反省すべきだと思うのですが…。

それに対して、東洋医学は病気の原因を内に探求してきました。
細菌やウィルスは病気の原因ではなく、それらの影響を受けて健康を損ねるような体を作った本人が原因です。考えても見てください。インフルエンザがどんなに流行っても、罹らない人は必ず居ます。どんなにどう猛な、菌やウィルスが新たに生まれて、恐ろしいスピードで流行しても、全滅する事はありません。わずかであっても必ず、生き残る個体が出ます。そのような生き残る体を作ろうと考えるのが、東洋医学の基本的なスタンスなのです。

私は常々、「ストレスで病気になる事はない」と言っています。もちろんストレスが引き金になる事はありますが、それはストレスで病気になるような弱い体を作ってしまった結果であり、完全な健康状態にストレスがあって病気になる事は絶対にありません。

現代はストレス社会だと言われますが、はたしてそうでしょうか?私はそう思いません。そんなにストレスにさらされているのなら、江戸時代の農民と交代したいですか?今のように近代的でない、当時の農業は恐ろしく重労働です。その結果できた農作物は年貢でもって行かれます。転職したくとも厳しい身分制度のため、死ぬまで農業は辞められません。

戦時中の生活と比べても、楽な物です。明日の命も分からない状況の貧しい毎日の方が、ストレスがないのでしょうか?

嫁と姑の問題も然り。今なら離婚もそう少なくありませんが、以前は離婚の人生におけるダメージはこんな物ではないでしょう。
 
いま病人が増えているのは、私に言わせれば人間が細菌にもウィルスにもストレスにも、気温や湿度などの環境の変化に対しても、弱くなっているのが本当の原因ではないでしょうか?

さて、それでは病気とは何でしょうか?健康とは何でしょうか?

健康とは(ハイパーリンク)人間が正常かつ、完全に機能している状態と言えます。それがどんな状態なのかは、こちら(健康とはにリンク)をご覧ください。

それに対して病気は、正常に機能していない状態です。

ではどうして人間の機能が正常に機能しなくなるのでしょうか?
それは正しく機能させないからです。健康について、正常に機能させる事についてはこちら(健康とはにリンク)

人間は一つの個体だけが、単独で勝手に存在しているのではありません。自然の中で他の動物や植物、生物と無生物、有機体と無機質、大地と水や空気、太陽や地球など宇宙の中で自然と共存しています。

大地から育った植物などを食物として、排泄物を大地へ返し、呼吸によりはき出した二酸化炭素を植物が吸収して酸素を出し、蒸発した水は雨や雪として地上に降り注ぎ生活水として使用し、地球と連関しながら機能しています。私たちの身体の機能は、地球の機能の一部になっているのです。
 
そのため私たちがその機能を正常にしなければ、それ自体が正常な機能を損ねている事になるのです。

病気の原因は生活習慣の間違い
人間が生活している事は、自然の機能の一部です。ですから、生活習慣はそれ自体が機能した結果なのです。

生命は食べ物によって成り立っています。そして食べ物とは、その生物にとっての材料となる物です。

ほとんどの人は食べ物は動力源のエネルギーとしか考えない傾向にあります。自動車に例えるなら、ガソリンです。そして確かにガソリンに当てはまる面もあります。しかし、同時にそれは材料でもあるのです。あなたが食べている物は、あなたの体を作る材料になってるのです。あなたの筋肉も、脳も皮膚も髪の毛も、全て食べ物が材料になっています。あなたの身体は、いままでにあなたが食べてきた物が、材料になって組み立て直した物に他なりません。

当然の事ながら材料が違えば、生産物は違ってきます。粗悪な材料では粗悪な生産物ができるでしょうし、良質の材料であれば生産物も良質になります。

病気になるのは病気になる材料を食べてきたためです。
 

次に人間は毎日、身体を動かします。この動作が正しくなければ力学的に調和が乱れて、体が歪んできます。治療として、体の歪みを矯正しても、体の動かし方が間違っていれば、またからだが歪むのは時間の問題です。正しい動作で日常を送れば、体は歪まないだけでなく、日々、歪みも正されていきます。また、人の手を借りて矯正する必要はなく、人間は自分で体の歪みを簡単に正せます。

最後に、精神活動です。心理的な事が身体に影響するというのは、最近、常識になっています。ストレスの事を言っているのではありません。心に関して問題が出てくるのは、心を正しく扱っていないからです。